はじめに
AR技術を使用したスマホアプリや安価なVRデバイスの登場で、ARやVR(総称XR)の技術は徐々に世の中に浸透しつつあります。
ARやVRを体験したことのある人は、仮想の世界へ引き込まれる感覚に驚いたのではないでしょうか?
しかし、現在のXRは視覚や聴覚によるものが主であり、触覚については開発が遅れています。仮想空間で触覚を再現することができると、仮想の物体の硬さや、物体を持った時の感覚などを味わうことができ、より現実の体験に近いものになります。
▼XRについての記事はこちら
そこで、この記事では少しずつ開発が進んでいる、VR空間などで触覚を再現できるデバイスについて紹介させていただきます。
触覚デバイスとは

(画像引用:https://exiii.jp/)
触覚デバイスとは、力・振動・動き・熱・静電気などの触感によってユーザーに皮膚感覚フィードバックを与える技術を搭載したデバイスです。
身近な例を挙げると、スマートフォンのタッチパネルでは画面に表示されたボタンを押しても「押した」という感覚はありません。しかし、タッチパネルに触覚デバイスを使用してボタンを押した時に振動させるなどのフェードバックを与えることで、ユーザーにボタンを「押した」という感覚を与えることができます。さらに、振動の仕方を変えることでボタンの識別なども可能です。
私はMacBookを使用しているのですが、トラックパットにもこの技術が使用されています。実際にトラックパットは動いていませんが、クリック時には振動でフィードバックがあり、明確に「押した」という感覚があります。
VR用触覚デバイス
それでは、ここからはVRで使用できる触覚デバイスについて紹介します。
ちなみに、多くのデバイスに「Haptics」という単語が含まれていますが、ハプティクスとは、ユーザーに力、振動、動きなどを与えることで皮膚感覚フィードバックを得るテクノロジーであり、触覚技術とも訳されます。(Wikipediaより)
EXOS Wrist Hand Tracking Edition

(画像引用:https://exiii.jp/2019/04/23/launching-exos-wrist-hand-tracking-edition-en/)
これは、exiii(イクシー)株式会社が提供している手首装着型のVR/AR用触覚デバイスです。2018年よりEXOS Wrist DK1、EXOS Wrist DK2とアップデートを繰り返し、このEXOS Wrist Hand Tracking Editionではハンドトラッキングと、手の平への力触覚フィードバックを備えました。
自動車メーカーのカーデザインの過程など、主に製造業で活用されているようです。
Manus Prime II Haptic

(画像引用:https://www.manus-vr.com/prime-2-haptic)
これは、株式会社アスクが提供している、グローブ型VR向け触覚デバイスです。これは、モーションキャプチャと組みあわせて手や指の動きを仮想空間内にリアルタイムで入力できます。また、指ごとに設置されているLRA(linear resonant actuator)触覚モジュールにより、仮想空間で物体に触ったり掴んだりした際には触覚フィードバックを得られます。
このグローブには最大5時間の連続使用が可能なバッテリーが付属しています。また、グローブからセンサーを取り外して洗うこともできます。
HaptXグローブ
米国のスタートアップHaptX社が提供しているグローブ型触覚デバイスです。マイクロ空気圧を用いて細かな触覚を再現し、ユーザーの指に力触覚フィードバックを与えています。
このデバイスは動画からもわかる通り、かなり大きなデバイスです。一般向けと言うよりは、産業分野や政府機関等をターゲットとして開発を進めているようです。専門的なスキルや伝統的なスキルのトレーニングへの活用が期待されます。
bHaptics DK3

(画像引用:https://www.bhaptics.com/tactsuit/)
これは韓国のbHaptics社が提供している触覚デバイスです。ベストやリストバンドなど、体のあらゆる部分に装着できるデバイスを開発しています。
有名なVRのリズムゲームに「Beat Saber(ビートセイバー)」があります。これは、音楽にあわせて飛来するブロックを両手に持ったライトセーバーで切断するゲームです。このVRゲームをbHaptics社のデバイスを装着して行うと、リズムに合わせてデバイスが振動し、より臨場感のあるものになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?グローブ型の物や、全身に装着するタイプなど様々な種類の触覚デバイスがありましたね。
現在VRは、本文にもあったBeat SaberなどのVRゲームだけでなく、企業研修や手術のシュミレーションなどに活用されています。VRに視覚や聴覚だけでなく触覚のフィードバックが加わることで、より現実に近い感覚でVR体験が可能になりそうです。
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