こんにちは。株式会社RAKUDOです。
先日2019年4月3日~5日にかけて東京ビッグサイトで行われた【第3回AI・人工知能EXPO】へ初めて参加させていただきました。弊社は設立も浅く体制的にもまだまだな会社ですが、出展させていただくことで本当にたくさんの会社様と接点を持つことができました。
この記事では弊社と同じようなベンチャー企業、スタートアップの会社の方達をターゲットとして情報を公開します。
出展にかかった費用や、出展して反響があったことや、失敗談などをシェアしたいと思います。
おそらくスタートアップでサービスをリリースして3~4ヶ月でこういった大きなイベントへ出展することはあまりないかと思いますので、ぜひ今後の参考にしていただければと思います。
記事のボリュームがあるため、お急ぎの方は必要な部分から読んでいただければ幸いです。
弊社サービス「AI interface」についての簡単な説明
弊社はAI interfaceというIBM WatsonなどのAIプロバイダーを複数組み合わせて、簡単にテストや開発を行うことができるプラットフォームを提供しております。
このサービスを利用することで以下の課題を解決することができます。
AI開発の課題1:複数のAIを組み合わせて使うことが難しい
画像認識や音声認識など世の中にはたくさんのAIプロバイダーが存在していますが、それらを単体で利用するのではなく、複数を組み合わせて一つの機能集合になって初めて実用的に利用可能な状態となります。
画像認識ができるシステムがあったとしても、それを制御するためには制御するシステムが必要ですし、対話型のAIサービスであれば音声認識や会話エンジン、音声合成などのシステムとの連携が不可欠です。
日常にあるスマートスピーカーを例にあげると、スマートスピーカーは音声認識や音声合成、会話エンジン、翻訳機能など、様々なAI機能が組み合わさって成り立っています。しかし、このように様々なAI機能を複合的に利用するためには技術が必要であり、限られた人にしか開発できません。
AI開発の課題2:実用的なインターフェイスがない
世の中には様々なAIプロバイダーが存在しておりますが、それらはあくまでも””プログラム””であり、そのAIプロバイダーを最終的なユーザーさんが使える形であるとは到底言えません。
AIプロバイダーの性能が良くなっていっても、それらを実際に使用するときに必要な””インターフェース””が用意されていないのです。
上記の課題をAI intrerfaceで解決
課題1については、本来コードを数千行書いて、複数のAIプロバイダーを連結させなければならないところ、AI interfaceを利用することでAIプロバイダーのAPIキーやワークスペースIDをコピー&ペーストするだけで簡単につなげることができます。
課題2については、弊社がプラットフォームで連結させたAIプロバイダーを実行するための、専用のビュアーアプリを提供しています。そのため、インターフェイスの開発が必要ありません。また、そのままお客様に納品することも可能です。その結果として時間換算では約3ヶ月、費用換算では400万円ものコストを削減することが可能になり、92%という大幅なコスト削減を可能にします。
「AI開発を安く、手軽に始めたい」という方がいらっしゃいましたら、無料プランがございますのでお気軽におためしください。
▼AI開発における課題やコスト削減について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
AI開発者が泣いて喜ぶ!?AI interfaceでAI開発における課題を解決
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
EXPOに出展したレポートをしていきます!
EXPOに出展する目的
有料プランの獲得
- 無料プランユーザーの獲得は進んでいるので、本格的に有料プランのユーザーを獲得していきたい
- プロジェクトの収益化を進めたい
- 有料プラン+受託開発として案件を獲得したい
認知度向上
- 競合サービスがやはり出てきているので、公の場で製品を紹介したい
- 「AIを組み合わせるサービス = AI interface」という方程式をユーザーの頭の中で成立させたい
長期的な見込み客の獲得
- いきなり購入は難しいので無料プランから入ってもらう
- 継続して利用してもらい、機能を拡充していくとともに有料プランへの転換を行う
EXPO出展費用
▼以下に、かかった費用の項目と概算を公開します。
項目 | 費用 |
ブース代 1.5小間(3m×9m) | 約158万円 |
EXPO会場でのWi-Fi回線代 | 約10万円 |
EXPO会場での電気代 | 約4万円 |
デバイス(iPad)レンタル代 | 約4万円 |
ブース装飾費(壁や絵、バックヤードの設置等) | 約100万円 |
交通費(6名) | 約11万円 |
宿泊費(6名) | 約15万円 |
水900本 | 約7万円 |
パンフレット2,000枚・名刺2,600枚 | 約3万円 |
クリアファイル1,000枚 | 約4万円 |
スタッフ用ポロシャツ代 | 約2万円 |
有線LANケーブル代 | 約3万円 |
その他雑費 | 約10万円 |
合計 | 約331万円 |
お客様に配布するノベルティについて
以下に、用意したノベルティの種類や数、それぞれの反応をお伝えします。
水
- 350ml, 24本入り×38箱購入
- 当初の予定では毎日300本ぐらい配る予定だったが、実際に配ったのは600本ぐらい
→1日目、2日目がやや肌寒かったことや、周辺に出展している企業も同様に水を配布していたことが影響しているか - パンフレットのみ渡した時よりも、水を渡した方がお客さんが話を聞いてくれた
- 水を渡すと水だけ持っていかれると思ったが、実際はそんなことなく話を聞いてくれるし、商品に興味ある人が多かった
クリアファイル
- 「AI interface」のロゴをプリントしたクリアファイルを1000部発注
- 3日間でほぼ全てのクリアファイルを配布できた
- パンフレットをクリアファイルに入れて渡した方が丁寧な感じがするが、実際のところクリアファイルを入れない方が手に取ってくれた
→複数枚の印刷物が入っており(実際にはペラ1枚でした)見るのも面倒くさいと思われてしまい、もらおうとしてくれなかったのではないか
パンフレット
- AI interfaceの製品に関するパンフレットを2,000枚発注
- 3日間で約1,500枚のパンフレットを配布できた
- ブースに滞在していただける時間は限られているため、情報を持ち帰って復習できるようにするために確実に用意すべき
- パンフレットはもちろん必要だが、より詳細なプレゼン資料など500部ぐらい用意しておくと、詳しい話になった時にすぐに使え、その資料を持ち帰っていただき、社内で紹介する時に使ってもらえる
以上が、EXPO開始までの準備に関してでした。
ここからはEXPO当日の様子をお伝えします。
EXPO開始!
事前アポイントシステム
EXPOでは主催企業であるリードエグジビジョンジャパンさんが、ブースを出展する会社と訪問する会社をイベント開始前にマッチングするシステムを提供しています。そのシステムからアプローチしたい企業へメッセージを送り、EXPO開催前に30分間の商談アポイントを埋めていくことができます。
最初は厳選した40社程度にのみに連絡をしていたのですが、主催企業であるリードエグジビジョンジャパンさんから、「他の会社さんは数百社にアプローチをかけていて30~40件ほどの アポをいれているので、RAKUDOさんもメッセージをもっと送った方がいいですよ」とご丁寧に電話で提案がありました。それを受けて数百社へメッセージを送ったところ、イベント初日である4月3日までに40社ほどの会社様と商談アポイントを設定することができました。
アポイント先は誰もが知っているような名だたる大企業様ばかりです。
従来のようなテレアポや、交流会での名刺交換のみでなかなか次に繋げられない関係ではなく、はじめから執行役員や取締役の方達とお話をする機会を頂くことができます。そのため、口約束にはなってしまいますがその場で成約も可能です。
決裁権のある方達でなおかつ大企業、スタートアップからしてみれば最高のアポイントです。
この事前アポのシステムだけで投下した資金を回収できるんじゃ無いか?と思えるぐらい非常に良いアポイントを設定することができました。
リードエグジビジョンジャパンさんが提供しているこのシステムに感謝です!!
通信障害発生
AI EXPO1日目、ちょうど開場するかしないかぐらいの9時40分ぐらいに数台のiPadの端末でログインができない状態になっていました。最初は気にも止めていませんでしが、いざ来場者の方が来た時にも動作せず、ログインもままならない状況だったのでネット回線に繋がらないことは明白でした。
ひとつの会場でたくさんの会社が同時にWi-Fiを飛ばしていたため競合が起きていたらしく、回線速度が遅いというレベルではなく、もはやネット回線につなぐことができない状態でした。
ちなみにこの状況はRAKUDOだけで起こった問題ではなく、どこの会社さんでも起きていたようで、会場にいらっしゃる方達も「どこもそうですよね」とおっしゃっていたので、やはり全体でこの問題は発生していたようです。
初めての試みで出展したので、当然色々と問題ができることはわかっていましたが、まさか最も重要と言っても過言ではないネット回線がやられるとは思っていなかったのでかなり焦りました。
弊社サービスはネット経由でAI interfaceのクラウドにアクセスして、さらにAI interfaceがそれぞれのAIプロバイダーにAPIリクエストを送っているので、「ネットが繋がらない = サービスを使うことができない」ということです。
つまりお客様にサービスをプレゼンすることができないという状況に陥ってしまったわけです。
幸い手元に資料があったためなんとか説明をすることが出来、ことなきを得ました。しかし2日目の朝、流石にこれではどうしようもないよね、という話になり有線LANとiPadにつなぐためのアダプターを購入しにスタッフの一人が街に繰り出しました。
※1日目の夕方から夜は名刺管理等行なっていたので、翌日の朝になってしまいました。
ちなみに一番近いところが展示場である東京ビッグサイトから約30分ほどで、Apple銀座と銀座から一番近いビックカメラに行きました。
ビックカメラで安く買いたいところでしたが、仮にiPad用のライトニングケーブルがなかった場合時間を大きく消費してしまうため、Appleで純正のケーブル(iPad用 3セット、MacBook用 1つ)を購入しました。
iPad用のケーブルは1本では接続できないらしく、2つのケーブルを買わなければなりません。
背に腹は変えられないので、即決で買いましたが合計金額が約26,000円でした。。。
事前に調べて変えば1万円もあれば変えるかもしれません。
それに加えてLanケーブルや移動時間を短縮させるためにところどころタクシーを利用したので合計約3万円です。
そして買ってきたケーブルをつないだところ、
50Mbps出ました!
2日目以降はようやく商品を見せることができたので、営業もしやすく話も非常に捗りました。
ちなみに、最終日に小耳に挟んだ話ですが、電話回線などを提供している会社さんは回線を引いている会社なのに回線が遅いのはイメージダウンしてしまう可能性もあるので、わざわざ基地局を設けている、とのことです。本当かどうかわかりませんが。。。
あと、よく出展している会社さんは必ず有線LANを利用しているみたいです。
グイグイ営業したらかなりの優良見込み客だった
次に、お客様の特性について、弊社なりの気づきをまとめます。
はじめはパンフレットのみを配り、興味がありそうな人に詳しく説明するような形でリード獲得を行なっていました。しかし、水の捌けが悪かったため、途中から早歩きしている人に水とパンフレットを渡して簡単にAI interfaceの説明をしました。
すると、眉間にシワを寄せて「これできる?」と聞かれて「はい、できますよ」と答えると、「実はこんなことしたいんだけど、このシステムで本当にできるの?どこまでできていくら?」と質問してくださり、そこから具体的なサービス紹介と料金紹介をしたところ、より詳細なことをお話してくれました。
じっくり見ている人は何も考えずにとりあえず【情報収拾】が目的という人が多い印象です。
逆に早歩きで一直線で歩いている人ほど何か【明確な目的・目標】があるケースが頻繁にありました。
「さっきの会社にできないって言われたけど、おたくの会社は競合と何が違うの?」
「具体的に早く話して」
「詳しく聞きたいからまずはメールで資料お願い。そのあと見積もりお願いね。」
といった感じです。
複数社に同じようなことを話していることは間違い無いですが、自社のサービスと見込み客の課題感がマッチしていれば本当に話が進みます。
ですので、長期的な見込み客を獲得していくのであれば満遍なく声をかけるのもいいですが、早歩きしていたり全く見向きもしない方に声をかけて一方的にサービス紹介することも結構言い手なのかもと思いました。このような方達はもし興味がなければすぐに「もういいや」と言って断ってくださるため、展示する側にとっても負担にならず、営業の効率を高めることができます。
EXPO開催日の来場者のばらつきについて
意外にも、開催日によってお客様の特性にばらつきがありました。
- 1日目来場者
ガチ。ものすごく明確に課題感と要望がある方が多く、マッチすれば話が一気に進みます。 - 2日目来場者
情報収拾。「とりあえずきてみました」、「AIはまだよくわからないけど勉強中です」という方が多かったです。結果から見ても2日目にいただいたお名刺は、優良見込み顧客に該当する方は1日目と3日目に比べてかなり少なかったです。 - 3日目来場者
ミックス。ただし、明確に目的のある方もかなり多く、1日目よりも30%ぐらい優良見込み顧客が多かったです。来場者数も3日間の中でダントツに多かったです。
結果
資金を投入した以上、案件化して収益を上げなければなりません。
現時点での成果と状況はこちらです。
▼いただいたお名刺
- 優良見込み顧客 60社 ( 約20件 / 1日 )
- 中期見込み顧客 90社 ( 約30件 / 1日 )
- その他 100社 ( 約33件 / 1日 )
4月16日現在、いただいたアポイントから20件弱のアポイントを設定できております。アポイントを設定させていただいた会社様は大会社と呼べる規模が大半なので、案件の金額も大きいですし、面白い案件が多いです。
ベンチャー企業が普通に営業を行って大会社の決裁権のある方のお名刺をいただくことは営業にかけるリソースと、サービス開発のリソースを考えた場合、正直かなり難しいのではないかと思います。
イベントに出展するまではうまくいくかどうか不安もありましたが、このような結果を得ることができて、最終的には大成功だったと思います。
まとめ
今回は弊社のスタッフ6名でこのEXPOに参加させていただきました。このような出展は全員が初めてで、常に手探りの状態でしたが、主催社様が提供しているアポイントシステムや、ブース装飾をしていただいた企業様にご支援いただき、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
AI interfaceを多くの人に知ってもらう良い機会になったのではないかと思います。しかし、まだまだこれから。皆様に意見をいただきながらこれからもAI interfaceはアップデートしていきます。小さなことでも気になったことや、「こんなエラーが出てるけど?」、「こんな機能があったら良いな」などご意見をいただけると非常に嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。この記事がEXPOなどに出展する方の参考になれば幸いです。
▼EXPO準備に関する記事はこちら
ないものは作ってしまえばいい|スタンプ編
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10分で完了!AI interface導入までの流れ
【画像付き】IBM Watson / Text to speechとSpeech to textの設定
【画像付き】IBM Watson / Watson Assistantの設定
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【株式会社RAKUDO】
下記の事業を中心に行なっている名古屋の企業です。
●エンタメ系や製造業の方に向けたVR/AR/MR開発
●モーショントラッキングのデータ作成サービス
●AI開発が楽になるプラットフォーム「AI interface」
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